上京:「ET おうち かえる」からの脱出

私の居場所 暮らし

こんにちは、サンプルりか子です。

ついに関東甲信越地方も梅雨入りしましたね。
なぜ梅雨入りをこんなに気にしているのかというと、
早く夏を味わいたいからです。
しかし前にも書いたように、厳密な梅雨入り・明けはわからない、
なので一つの目安に過ぎないのですが。
早くセミの声を聞いて、真っ青な空に浮かぶ入道雲を見たいです。


2年前の今頃、私は上京して、後頭部にタンコブができたり
頭痛や胃痛、吐き気に悩まされていました。

体調面だけでなく精神面もいよいよ追い詰められていました。
会社でも、当時はまだアルバイトだったのですが、
正社員登用のつもりで上京したら実際は契約登用だったり、
特に作業がない日もあり、このまま私の仕事が
なくなってしまうんじゃないかと不安になって、
別の仕事を探し始めたり。
かと思えば締切に追われて残業をしたり…。
なにかの会話の延長で、会議で必ず発言しないといけないと言われ
一人でプレッシャーを感じていたり、
ずっと緊張が緩むことはありませんでした。

それだけでなく、まだまだ慣れないIT分野に頭が噴火しそうで、
モチベーション維持も大変で。

家に帰るとシェアハウス。
ずっと誰かの物音、騒音にイライラ。
好きなときに使えないお風呂トイレキッチン…。

休日にリフレッシュしたいけれど、
特に予定がないと出かける気にもなれない。
一緒に出かける親しい友人もいない。

私、もうだめかも。
東京、なんも楽しくないわ。
向いてないんかも。
辛いだけやん。
(修行やからな。)

たまに、西の友人が連絡をくれることがありました。

「東京ライフはきらびやかでしょう☆彡」
とのメッセージ。それに対して、
「苦痛です」
と返したのですが、本気にされませんでした。
「今日も東京ライフ、楽しんで下さい(^o^)」

だってさ。だから苦痛なんだってば。
このままここで暮らして、死んで…。
いやだな。
死に場所は別の場所がいい。
親しい人と自然に囲まれた安心できる場所で死にたいよ。
日記に書くくらい本気で思っていました。

来る日来る日にがっかりして、
いつ実家に帰ろうかと考えていました。


ある日、ふと部屋の掃除をしていると、
本棚に目が止まりました。
そういえば小説って何年も読んでなかったな。
いつか読むかもと思い、本を数冊より直ぐって上京と一緒に持ってきていたのです。
ちなみにその一つが十二国記です。

何の気なしにページを捲ると、懐かしさがこみ上げてきました。
そのままページを捲る手が止まらず、
その日から十二国記を読むことが日常の楽しみになりました。

家の中だけでなく、今度は外でもゆっくり読みたい。
そう思い、晴れた日は近所の河原へでかけて読みに行きました。

ある時は、お菓子作りの道具を買いにかっぱ橋へでかけました。
隅田川も歩いていける距離ではあるので行ってみると、
なんと気持ちがいいのでしょう!
川の水質はおいといて、たっぷりの水量がゆっくり流れて、
時々気持ちのいい風が吹くのです。
そこにいるだけで、どんどん自分の心も満ちていくようでした。
(ちなみに隅田川は蔵前からアクセスする場所が好きです。)

東京にこんな素敵な場所があったんだ!

もちろん、私にとっての素敵な場所です。
今まで東京自体に何の魅力も感じることができずに正直もったいないことをしていましたが、
見つけました。
私の安心できる場所を、東京に。
やっと、東京が私の居場所のひとつになったと自分で認められた気がしました。

それ以来、私は隅田川に通いました。
そうやって徐々に心身を回復していったのだと思います。
相変わらず家の中でのストレスや、仕事のプレッシャーとは闘っていましたが、
いつの間にか動悸もおさまり、吐き気もなくなっていきました。
8月前後のことでした。

もともとの関東の友人数名以外に友人と呼べる人がいなかったのですが、
東京で知り合った知人が飲みに誘ってくれました。
仕事以外で飲みに行くのは東京に来てはじめてのことです。
知ってか知らずか私の誕生日の前日のことでした。

その日を堺に、私の「東京ライフ楽しいver.」が始まりました。
「東京ライフ苦しいver.」も同時並行ですがね。

特に特別東京らしいことをしているわけでもなかったのですが、
その知人の皆さんに外に連れ出してもらい、
美味しいもの食べたり、朝まで話したり、外のベンチでお酒飲んだり、
終電逃して何度もタクシーで帰ったり、深夜徘徊してナンパされたり、
怪しいタバコくさい喫茶店で不味いサンドウィッチ食べたり、
一緒に物件探しに行ったり、近所の神社へ初詣に行ったり、
こういうごく「フツー」の楽しみが私には至極幸せな時間でした。

東京での思い出を友人知人と作っていけたこと、
東京にいたいと思えたこと、
自分が自分に東京にいていいんだよと言えたことの何よりの理由は、
安心できる場所ができたことだと思います。
この場所とは、隅田川の近く、のように物理的な場所でもあるし、
人のことでもあります。
この人達がいたから、いろんな東京を知りたい、
もっと東京で色んなことしてみよう!という気になれました。

本当に救われました。

つらくてもう帰ろう、いや、帰らなきゃといよいよ思いだした約3か月、
それを乗り切って、「東京ライフ楽しいver.」を知ることができました。

今日のまとめは、人は一人では生きていけない、ですかね。
うん、人って大事です。
物理的に何処にいるかも大事ですが、
そこで何をするか、つまり誰と出会うか、一緒にいるかで
時間の過ごし方がいくらでも変わります。

私の場合はですが、たまたま3か月で実家に帰らなくてよかったです。
でも、本当にもうダメだ、となった時は無理してその場に留まらなくてもいいと思います。
土地でも仕事でも、周りの友人でも。
そういうことです。


最後に、私が東京で出会った友人知人のみなさん。
本当に感謝しています。
みなさんにとっても楽しい時間であったのなら幸いです。
いつまでもお元気で。


では、また。


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